- [PR]
ライフ
【芥川賞】円城塔さん「ニコ動見てたら、受賞の電話が」
--言葉が不思議だということを具体的に説明してください
「それは、もう素朴な話で今こうして話している言葉がどう伝わっているというような話から、どうして外国語が存在しているのか、言葉が分かれたならどこで分かれたのか、始まったのであればどこで始まったのか、というような日常的に感じる不思議さです」
--これまで純文学、SFと幅広く活躍してきましたが、今後どのような作品を書こうとされていますか
「いろいろやっていければと思います。とりあえず、次なんですが、ほぼ同時期にデビューして3年前に亡くなった伊藤計劃(けいかく)という大変力のある作家が遺(のこ)した30枚ほどの原稿があります。それを引き継ぐということは彼の書くようにはできませんが、完結させるということをご家族の了解を得てこの3年間やってきました。そろそろ終わりそうです。なぜおまえがという批判は当然あると思いますが、次の仕事としてやらせていただけたらと思います」
--きょう奥さまとは
「特に、特に(ありません)。直前に体調崩したことあって、ホテルの部屋でニコニコ動画を見ながら待っていました。『結果が出ました』というから『電話が来てないよ』というと、『そうか、直木賞早いな』とか言っていたら、電話が鳴って『今ニコニコ動画を見ているのに』と取ると、『おめでとうございます』と。よくわからないうちにバタバタだったので、ちょっと落ち着いてよかったなと思います」
《電話しているようなポーズをし、身ぶり手ぶりを交えながら、ユーモラスに説明する円城さんの話に、会見場も笑いに包まれた》
--影響を受けた作家は
「安部公房さんはとても大きな存在としていらっしゃると思います。ぜんぜん僕も同じような傾向のものを書いているわけではないですが、ちょっと外れたというふうに見なされがちなものでいうと、安部さんが一番です」
--伊藤計劃さんはどういう存在ですか。奥さまとは仕事の話をしないそうですが、読まれていないのですか
「後ろのほうの質問からですが、あまり聞かないようにしているので、こっそり読んでいるかもしれません。こっそり読んでも『なるべく教えてくれるな』といっています。日々の暮らしのことなので、横にいつも読んでいる人がいると辛いです。伊藤計劃ですが、友人だったのかといわれると、あまりにも短い期間でしたのでほかにも友人がいらっしゃるのであれなんですが、大変優れた書き手であって、大変僕も影響を受けた作家です」
このニュースの写真
- [PR]
- [PR]