高知県

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こうちけん ウィキデータを編集
高知県
高知県の旗 高知県章
高知県旗 高知県章
日本の旗 日本
地方 四国地方
団体コード 39000-3
ISO 3166-2:JP JP-39
面積 7,102.28km2
総人口 659,155[編集]
推計人口、2024年5月1日)
人口密度 92.8人/km2
隣接都道府県 徳島県の旗 徳島県
愛媛県の旗 愛媛県
県の木 ヤナセスギ
県の花 ヤマモモ
県の鳥 ヤイロチョウ
他のシンボル 県の魚:カツオ
県の歌:高知県民の歌(1953年制定)
県のキャラクター : くろしおくん
高知県庁
知事 浜田省司
法人番号 5000020390003 ウィキデータを編集
所在地 780-8570
高知県高知市丸ノ内一丁目2番20号
北緯33度33分34秒 東経133度31分51秒 / 北緯33.5594度 東経133.5308度 / 33.5594; 133.5308座標: 北緯33度33分34秒 東経133度31分51秒 / 北緯33.5594度 東経133.5308度 / 33.5594; 133.5308
高知県庁
地図
県庁舎位置
外部リンク 公式ウェブサイト
高知県の位置

高知県行政区画図

― 市 / ― 町 / ― 村

ウィキポータル 日本の都道府県/高知県
ウィキプロジェクト

高知県(こうちけん)は、日本四国地方に位置する県庁所在地高知市

概要[編集]

令制国では土佐国に当たり、県庁所在地の高知市の大半は土佐国の土佐郡に属していた。幕末期には土佐藩薩長土肥の一角として明治維新に貢献しており、坂本龍馬板垣退助三菱財閥の創業者である岩崎弥太郎など、時代の転換点において多数の重要人物を輩出した。

日本最後の清流といわれる四万十川(しまんとがわ)のほか、水辺利用率全国一の仁淀川物部川安田川など四国山地に源を発する清流が多く流れる。室戸岬足摺岬龍河洞四国カルストなど多くの天然の観光資源を有する。

近年は、徳島県宮崎県などの他の産地や、輸入野菜などに押されがちであるが、ピーマンなすトマトをはじめとする野菜類の促成栽培でも有名で、県中央部の沿岸部(土佐市芸西村付近)は、ビニールハウスが多く並んでいる。

地理・地域[編集]

高知県は東西に長い四国の南部、太平洋から四国山地の尾根までの範囲で「海の国」としてのイメージが強いが、高知市から香南市香美市土佐山田町南部に至る高知平野香長平野と南西部の四万十市周辺がやや広い平野となっているほかは、そのほとんどが海の近くまで山が迫る典型的な山国である。

山地率は89 %と全国一位で、全国平均の66 %と比べてもその険しさがよく分かる。最高峰は三嶺で(山頂が高知県単独の場合は手箱山)、地質的には四万十帯と呼ばれる堆積岩が多い地域でもあり、土砂災害がきわめて多い。その一方で県西部を流れる四万十川、石鎚山から土佐湾に南下する仁淀川、県北部から徳島県へと流れる吉野川など水量豊富な河川が多くあり、近年はカヌーでの川下りをする人が増えてきている。

水不足に悩まされることはほとんどないが、治水は古くからの課題となっており江戸時代初期の土佐藩奉行野中兼山による大規模な河川改修は県下主要河川のほとんどで実施されてきた。現在は全国有数の治水能力を有し、降雨量が多いにもかかわらず、全国的に見ると水害が少ない県でもある。

高知県沖の太平洋黒潮が流れており、冬の朝などは海面から湯気が立っているのが見える。気候は黒潮の影響を受けて冬でも温暖であり、台風の襲来も多く、1951年(昭和26年)以降の台風上陸数は鹿児島県に次いで2番目に多い県である。特に「室戸台風」では、室戸岬上陸時の中心気圧が911.6hPaであり、日本本土に上陸した台風のなかで観測史上最も上陸時の中心気圧が低い台風だった。台風の正式な統計は1951年昭和26年)から開始されたため、この記録は参考記録扱いとされているが、これは同緯度の台風における中心気圧の最低記録として、いまだに破られていない。太平洋に突き出た足摺岬、室戸岬は強風でも知られる。

県南西部の山間は大きく開発されることが無く、豊かな山林とダムの無い大きな川が残されている。四万十川は最後の清流として有名である。1980年代後半には四万十川河川敷に小規模なコミューター空港、2000年初頭に宿毛市と愛媛県愛南町(旧一本松町)の県境にまたがる2000m級の空港(仮称:高知西南空港)を建設する計画が浮上したがいずれも頓挫している。

広袤(こうぼう)[編集]

節内の全座標を示した地図 - OSM
節内の全座標を出力 - KML

高知県の東西南北それぞれの端、及び重心は以下の位置である[1][2]。北端はちち山、南端は沖の島 (高知県)、東端は甲浦港沖に浮かぶ葛島、西端は鵜来島にある。また統計局の平成22年国勢調査によると、人口重心は土佐市新居付近にある[3]

重心
北緯33度25分28秒 東経133度21分51秒 / 北緯33.42444度 東経133.36417度 / 33.42444; 133.36417 (高知県重心)

北端
北緯33度53分00秒 東経133度38分39秒 / 北緯33.88333度 東経133.64417度 / 33.88333; 133.64417 (高知県最北端)
人口重心
北緯33度27分27.21秒 東経133度27分46.77秒 / 北緯33.4575583度 東経133.4629917度 / 33.4575583; 133.4629917 (高知県人口重心)
西端
北緯32度47分59秒 東経132度28分47秒 / 北緯32.79972度 東経132.47972度 / 32.79972; 132.47972 (高知県最西端)
高知県庁舎所在地
北緯33度33分35秒 東経133度31分52秒 / 北緯33.55972度 東経133.53111度 / 33.55972; 133.53111 (高知県庁)
東端
北緯33度32分17秒 東経134度18分50秒 / 北緯33.53806度 東経134.31389度 / 33.53806; 134.31389 (高知県最東端)

南端
北緯32度42分09秒 東経132度32分35秒 / 北緯32.70250度 東経132.54306度 / 32.70250; 132.54306 (高知県最南端)

地形[編集]

主な海
桂浜
主な河川
主な平野
主な山岳
主な島

気候[編集]

高知県の年間日照時間は2000時間を越え、全国2-3位が定位置となっている一方、年間降水量も平野部で2500mm前後、山間部では3000mmを超え、東部山間部の魚梁瀬は4100mm程度と日本有数である[4]。夏は蒸し暑く、熱帯夜が連日のように続くが、昼は猛暑になりにくい。その反面、西部側の地域は北西風が四国山地を超えてフェーンを起こし、本州内陸部にも匹敵する暑さとなることがある。四万十市江川崎では、2013年8月12日に日本の歴代最高気温記録(当時)である41.0℃を観測している。

平野部での積雪はまれであるが、山間部や豊後水道側に開けた県西部の幡多地域平野部では大雪に見舞われることもあり、剣山系、石鎚山系の高い山では厳冬期に根雪が見られる地域も存在する。冬は晴れ間が多く、放射冷却によって朝などは高知市でも氷点下になることも多いが、日中は暖かい。その反面、室戸岬や足摺岬などの半島部や沿岸部では無霜地帯が存在する。その温暖な気候を求め、スポーツチームが多数キャンプを設置する。春は宇和島と並び、ソメイヨシノの開花前線が全国でも早く訪れることで知られるが、夏から秋は頻繁に台風の直撃を受けることがあるほか、台風本体が東シナ海から日本海側を通過する際も南からの温かい湿った風が、四国山地に遮られて大雨になることもある。室戸岬と足摺岬は「台風銀座」と呼ばれている。

高知県各地の平年値(統計期間:1971年 - 2000年、出典:気象庁・気象統計情報
平年値
(月単位)
西部沿岸部 中部沿岸部 東部沿岸部
宿毛 土佐清水市
清水
四万十市
中村
黒潮町
佐賀
四万十町
窪川
須崎 高知 南国市
後免
南国市
南国日章
安芸 室戸市
室戸岬
平均
気温
(°C)
最暖月 26.7
(8月)
27.2
(8月)
26.6
(8月)
26.3
(8月)
25.5
(8月)
26.7
(8月)
27.2
(8月)
26.5
(8月)
26.9
(8月)
25.8
(8月)
最寒月 6.9
(1月)
8.6
(1月)
5.6
(1月)
6.1
(1月)
3.9
(1月)
6.5
(1月)
6.1
(1月)
5.5
(1月)
7.3
(1月)
7.5
(1,2月)
降水量
(mm)
最多月 321.2
(6月)
346.8
(9月)
434.9
(9月)
386.9
(6月)
479.4
(9月)
379.5
(9月)
404.3
(9月)
335.0
(9月)
280.5
(6月)
331.0
(9月)
最少月 55.3
(12月)
70.3
(12月)
61.5
(12月)
54.5
(12月)
59.0
(12月)
47.9
(12月)
52.0
(12月)
48.6
(12月)
47.3
(12月)
70.2
(12月)
平年値
(月単位)
内陸部
四万十市
江川崎
梼原 いの町
本川
本山 香美市
大栃
平均
気温
(°C)
最暖月 26.2
(8月)
23.9
(8月)
22.8
(8月)
24.8
(8月)
25.4
(8月)
最寒月 4.6
(1月)
2.4
(1月)
1.3
(1月)
3.1
(1月)
4.2
(1月)
降水量
(mm)
最多月 343.0
(7月)
420.3
(8月)
534.2
(8月)
407.1
(9月)
408.8
(6月)
最少月 54.8
(12月)
69.5
(12月)
62.8
(12月)
54.9
(12月)
65.7
(12月)

自治体[編集]

以下の11市6郡17町6村がある。町はすべて「ちょう」、村は「むら」と読む。

以下、7つの広域市町村圏ごとに記述する。

人口[編集]

高知県は、全国では鳥取県島根県に次いで3番目に人口が少なく(全政令指定都市よりも人口が少ない)、四国地方では最下位である。人口密度は中部地方以西の府県では最も低い。

人口の分布としては県庁所在地の高知市に県民のほぼ半数が居住し、いわゆるプライメートシティとなっている。単独市制施行に必要な人口である5万人を上回る市は高知市のみであり、全都道府県中最も少ない。

県中部の高知平野の他に比較的まとまった人口が居住する地域は四万十市などごく僅かであり、県西部・東部は日本でも有数の人口密度が低い地域となっている。

高知県市町村人口増減率分布図(2016年度と2021年度8月1日の高知県統計から算出)
高知県と全国の年齢別人口分布(2005年) 高知県の年齢・男女別人口分布(2005年)
紫色 ― 高知県
緑色 ― 日本全国
青色 ― 男性
赤色 ― 女性

高知県の人口の推移
総務省統計局 国勢調査より

都市[編集]

  • 高知県内市別人口密度ランキング:2021年(令和3年)現在
    1. 高知市:1,051人/km2
    2. 南国市:0371人/km2
    3. 土佐市0280人/km2
    4. 香南市:0253人/km2
    5. 須崎市0150人/km2

隣接自治体[編集]


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