チェス世界王者、新星を不正行為で非難 「異常な進歩」

Chess player Magnus Carlsen looks down at the board during a game

画像提供, Getty Images

画像説明, マグヌス・カールセン氏

チェスの世界王者マグヌス・カールセン氏(ノルウェー)が26日、自らの連勝記録を止めた新星ハンス・ニーマン氏(19、アメリカ)について、不正をしたと初めて公に非難した。

市場最高のチェスプレーヤーと評されるカールセン氏は、今月上旬の大会シンクフィールド・カップでニーマン氏に敗退。連勝記録が53で途絶えた。

両氏は先週、オンラインの大会で再び対戦。カールセン氏は1手だけ打って棄権した。ニーマン氏の出場に対する抗議とみられている。

カールセン氏は結局、この大会で優勝した。

カールセン氏が声明

カールセン氏は、26日夜になって声明をツイッターに投稿。ニーマン氏について、「公に認めているよりも多く、もっと最近の時期に、不正をしていた」とした。ただ、証拠は示さなかった。

また、ニーマン氏が近年、チェスで「異常な」進歩を見せたことから、怪しいと思うようになったと説明。シンクフィールド・カップでは、ニーマン氏は「緊張感がなく、完全に集中もしていない」様子だったのに、「ほんの一握りのプレーヤーしかできないような方法で」カールセン氏を負かしたとした。

そして、「私は不満だ。これからも最高のレベルで、最高の大会でチェスをプレーしていきたい」、「不正行為はチェスにとって大問題であり、存亡の危機を招く」とし、競技団体側に不正行為防止対策を求めた。

さらに、もっと言いたいことがあるが、「ニーマンが公にしてもいいと明確に許可しない限り」言えないとした。

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過去にオンラインで不正

これに対しニーマン氏は、今月になって疑惑が持ち上がった時点で、不正行為を強く否定。自分のキャリアをカールセン氏らが台無しにしようとしていると非難した。

そして、「私は自分で無実だと知っているので、気にしない。通信ができない箱の中で対戦しろというのなら、それでもいい。私は勝つためにここにいるし、何にしろそれが私の目標だ」とした。

ニーマン氏は、12歳と16歳だった時の計2回、オンラインで不正行為をしたことを認めている。しかし、実際にチェス盤を挟んでの対局における不正は断固として否定。自らの正しさを証明するため、裸で対戦してもいいとしている。

BBCはニーマン氏の代理人にコメントを求めている。

世界選手権の決勝に進出した経験をもつイギリス人のナイジェル・ショート氏は、BBCに対し、不正行為があったとの主張には懐疑的だと説明。不正の証拠がないことが、その理由だと述べた。